第9章 女子高生ハンター
「………平部先生。」
振り向けば、職員室にいたはずの平部が訝しげな表情で橘を見ている。
「資料室に何か用なんですか?…まさか、生徒の事を調べよう等と考えているのでは?」
眼鏡の向こうにある鋭い目が橘を射ている。
「ま…まさかぁ。俺がそんなことするわけないでしょ?あ、鍵拾ったんです、返しといてくれます?」
そう言って渡す鍵。
額から大量に汗を流している。
「……まぁ、返しときます。」
まだ訝しげに平部は見ていたが、橘に背を向けた。
「…あ、それと、学校でいかがわしいことをするのはやめてもらえますか?生徒達の悪影響になる。」
そう吐き捨てて平部は職員室へ歩き出す。
「……チッ―――」
橘は舌打ちをするとその後ろ姿を睨み付けた。