第9章 女子高生ハンター
とりあえず野獣の事は置いといて、橘は例の女子生徒の事を他の教師に聞いてみた。
「あぁ、のことか?」
身体つきの良い体育担当の田中が言った。
「さんと言えば、平部先生のクラスよね。」
女の教師が平部の方を向く。
「が何か?」
眼鏡を光らせながら平部が橘を見ている。
「…い…いえ、何も。」
橘はそう言うと、椅子から腰を上げた。
彼は平部が苦手だった。
あの雰囲気も、何もかもがいけ好かない。
そう思いながら、コソッと見つからないように教師専用の資料室の鍵を取る。
狙いは""という生徒の資料。
平部に"生徒名簿"を貸してくれと言えるはずもなく、結局犯罪スレスレの行為をするしかないのだ。
全ては、自分のため。
その女子生徒との行為を想像するとヨダレが出てくる。
「何しているんですか?」
ヨダレを拭いながら鍵を開けようとすると、後ろから声がした。