第9章 女子高生ハンター
今から丁度半年くらい前である5月の終わり頃。
女子高生ハンターである橘のセンサーが一人の少女に反応した。
普段モテている彼は、ちょっとやそっとの女子生徒には反応しない。
しかし、何故か強く反応している。
ゴクリ………
橘は息を飲んだ。
むさい集団(※彼には全ての男子生徒がそう見えている)と女子生徒の中に咲く一輪の美しい花。
綺麗な髪。
ふっくらと育った胸。
しなやかな手と足。
そして、光輝く笑顔に吸い込まれてしまいそうだ。
――いったい誰だ!?俺のデーターにはない生徒だ!!
と思いつつ釘付けになる。
が、それと同時に寒気がした。
少し目線をずらすと見える赤い髪。
そして、こちらを向く光る目に剥き出しの牙。
むさい生徒の中でも要注意人物である生徒、
"野獣秋本誠也"。
あまりの恐ろしさにブルッと身を震わした。