第9章 女子高生ハンター
「あの子は…ダメだ。」
女子高生ハンターの師である橘からでる弱々しい言葉。
橘の鼻から微量の鼻水が出ているのを金子は見逃さない。
ゴクリ………
金子の喉が鳴る。
「なぜです?あなたほどの人が……。」
真剣に橘を見る。
「悲惨なことになるぞ。」
気味悪く橘が笑っている。
「悲惨な事とは……?」
恐る恐る尋ねた。
「……知りたいか?」
「…はい。」
橘の言葉に金子は頷いた。
「…あれは"エ●スの悲劇"だ。」
振り向いた橘の顔から大量の汗が出ている。
「エ●スの悲劇?」
金子は首を傾げた。
「あぁ、あれは5月の終わり頃の事だ。」
ゆっくりと橘は語り始めた。