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レッテル 2

第8章 チョメチョメ泥棒


「やっやめて――。」

起き上がるブヨブヨの身体。
深く被ったキャップの下からダラダラと垂れる汗。
そして、なんとも言えない柄のトレーナーにくたびれたジーパン。たっぷりと肉のついた顔に埋まった口から吐き出される弱々しい言葉。

「テメェ……。」

誠也の眉間に大量のシワがよる。
それが恐ろしくて、男は顔を蒼白(そうはく)させた。

「誠也!!」

家から走ってきた藤崎達。

「コイツか。」

皆が男をジッと見ている。
ただ見ているだけ。
だけど、男にはそれさえも恐ろしく感じた。

「警察をよんでくださいッ!!」

そう避けんだのは、本来言わないであろう犯人の男。

"このままじゃ確実に殺される"

男はそう感じていた。

干されていた女物の下着の誘惑に負け、手を出したのが間違えの始まり。
今更ながら後悔した。

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