第8章 チョメチョメ泥棒
「来てくれてありがとうございます!!」
誠也の家の前で手錠をはめられ、そう叫ぶ男。
「は?」
警官は訳が分からないというような顔をしている。
「ありがとうございます…ありがとうございます。」
泣きながらパトカーに乗る男。
なんとも言えない光景だ。
「これで一件落着。」
「そうだな。」
誠也の言葉に皆が頷く。
「…あれ?誠也君、ポケットからなにか出てるよ。」
誠也のズボンのポケットを指差す桜。
「ん?」
それを出す誠也。
出てきたのは白い布。
"パンツ"
誠也の血がサーッと引いていく。
「誠也君……ちょっと来て。」
笑顔の桜。
「……あぁ。」
小さく頷く誠也。
玄関の扉の向こうに消えていく二人。
"さよなら誠也"
藤崎達はゆっくりと手を合わせた。