第8章 チョメチョメ泥棒
「あほくさ。俺遊びにいこーっと。」
「あっ、勇人君。」
つまらなそうに言うと、部屋を出ていく勇人君。
うらやましい、あたしもどこかに行きたいよ。
そう思うも、窓に張り付いた変態達を置いては行けない。
勿論、心配なのはあたしの下着。
彼等ではない。
「あいつ等もよくやるね。」
藤崎先輩が笑いながらあたしの隣に座って言った。
「三善先輩ならともかく他の先輩まであぁなるとは……。」
窓を見て苦笑してしまう。
「皆、一応男だからね。」
「確かに。」
先輩の言葉に頷ける。
「俺も…一応男だけどね。」
そう言ってベッドに手をついた藤崎先輩の指先があたしの指先に触れる。
「あ……。」
トクントクンと高鳴る胸。
「ん…どうしたの?」
先輩が首を傾げて笑っている。
その笑顔が優しくて、思わず見とれてしまう。