第2章 命の灯火
「ワシと道清は飲み仲間や。」
壁に背を預けた董次郎が口を開いた。
「道清って誰や?ワシャ知らんぞ。」
善司が首を傾げている。
「…伝説の人だ。」
「伝説?なにがや?」
宗次郎の言葉に更に首を傾げた。
「"県外の極道と暴走族を叩きのめした男"それが道清さんだ。」
真剣な表情で宗次郎が言った。
「そら、すごいな。伝説になるわな。」
善司と加藤が驚いている。
「まぁ、仲間助ける為にバイクで警察にも乗り込んだりしてたな。それに、遥香さんにベタ惚れで嫉妬や束縛が激しかった人でもある。」
白川が付け加えた。
「ちょっと抜けとったな。」
藤堂が頷いている。
「やっぱ親父はクソだ。」
棗は不機嫌そうだ。
「やだぁ、ママはパパに愛されてるの。」
遥香は恥ずかしそうに頬を赤らめた。