第2章 命の灯火
「これからどうするんジャ?岩中もめちゃくちゃだろ。」
「それは俺が――」
「宗次郎……お前は抱え込みすぎだ。」
善司の問を答えようとした宗次郎の言葉を何者かが遮った。
皆がそちらを向く。
「親父!?なんで――」
宗次郎が驚いて目を見開いている。
そこにはスーツ姿の董次郎がいた。
「黙ってて悪かった。実はとっくに目を覚ましていたが、花村を欺く為に隠れていてもらってたんだ。」
白川が言った。
「そういうことだ。まぁ、大事な一人息子を危険な目に合わせるんは気が引けたがな……それに。」
董次郎が遥香の方を向いた。
「娘さん…いや、 ちゃんを危険な目に合わせてすまなかった。」
深々と董次郎が頭を下げた。
「そんな!!董次郎さんのせいじゃないですよ、頭を上げてください!!」
涙を拭った遥香があたふたと焦っている。
「知り合いなんか?」
善司が首を傾げている。
「オッサン!!誰にそんな口きいとんねん!!ホンマ、アソコもぎ取るで!!」
「誰がオッサンじゃ!!もぎ取れるもんならもぎ取ってみぃ!!」
善司と加藤が揉め始めた。
「止めんか、ここは病院やど。それに手術中いうんに表でやれ。」
董次郎が気迫のある声色で言った。
「…はい。」
二人が縮こまった。