第8章 チョメチョメ泥棒
「誰だ……桜の下着を盗んだ奴は?見つけしだい殺す。」
部屋に戻ると緊急会議が行われた。
その名も、
"下着泥棒ぶっ殺爽快"。
彼等が考えた名前だ。
なんかもう全体的に名前おかしいよね?
前半はいいとして、"爽快"って何?
全然爽やかじゃないし、気持ちよくもない。
完璧彼等の欲望が入ってますよね?
あたしは、心の中でツッコム。
「まぁ、俺は翔だと思うけどな。」
チラリと三善先輩を見ながら西村先輩が言った。
「は?俺ッ!?ちげーし!!キヨちゃん、そりゃないっしょ!!」
三善先輩が否定している。
「じゃあ言わしてもらうけどよ、そのポケットからはみ出してるもんなんだよ?」
「ポケット?」
皆がそこを見る。
「あ、これ?神様からのプレゼント。」
そう言って出されたのは黒のパンツ。
しかも、あたしのお気に入りの下着。
恥ずかしくてあたしは顔を下げた。
「お前…ちょっとこい。」
低く吐き出される言葉。
尋常じゃないオーラを誠也君は醸し出している。
「え?いやこれひろ――」
ズルズルズル―――
引きずられる三善先輩の身体。
バタン――――
閉められるドア。
「ぎゃあぁぁああ!!ごめん、ごめんね誠也ちゃんッ!!」
三善先輩の悲鳴が聞こえてきた。