第7章 壮絶なる争い
ヴ―――ウゥ―――
すると遠くからサイレンが聞こえてきた。
遠くに見える赤いランプ
警察だ。
「サツが来た!!」
皆がバイクに向かって走り出す。
「桜ッ!!」
後ろから彼の叫び声が聞こえた。
思わず振り向く。
「早く!!」
伸びてくる彼の手。
いつもの優しい顔であたしの所まで走ってくる。
フラフラのはずの足を必死に動かしながら。
「誠也君ッ――。」
あたしも彼の所まで走る。
走るのは苦手だけど、一生懸命走った。
「ごめん――」
指先が触れたとき、彼が小さく呟いた。
そして、掴まれる手。
彼のバイクまで走り出す。