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レッテル 2

第7章 壮絶なる争い


皆の動きが止まった。
驚いたように見ている。
彼の頬を叩いたあたしを。

「やりすぎだよ……。」

震えるあたしの声。
唖然とした彼があたしを見ている。
手を止めて。

「高嶋は最低だし…大嫌いだけど…でも、笑いながら人を殴る誠也君も…大嫌いッ!!」

そう吐き出したあたしは彼に背を向けてゆっくりと歩き出す。

争いは好きじゃない。
人を殴るのを見るのはもっと。
でも争わなければならない時も、殴らなくてはいけない時もある。
だけど、笑って人を殴る行為は最低だ。
たとえ、相手が高嶋みたいに最低な奴でも。

でも所詮、それは"綺麗事"。

世間はそう言って笑うのかも知れない。
だけど、大好きな彼には間違ったことをしてほしくない。
そう思うのはいけないことだろうか。

溢れ出す涙を流しながら歩く。
行く先も定まらぬまま、ただ歩いていた。

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