第7章 壮絶なる争い
「死に損ないが……。」
ゆっくりと立ち上がる高嶋。
今の彼の意中にあるのは、目の前の血に染まった真っ赤な髪の男ただ一人。
誠也もまた同じ。
愛する人さえもう見えていない。
「……桜ちゃん。」
口から血を垂らす藤崎が、少女の手を取り二人から離れた。
「テメェは今日ぶっ殺すって決めてんだッ!!」
ガシッ――
激しく掴む高嶋の胸ぐら。
高嶋の顔を見上げる鋭い目。
ゴガッ―――
降り上がったのもわからない早さで、高嶋の頬に拳がめり込む。
バキィッ――
何度も。
ドガッ―――
何度も。
ドサッ――
地面に尻をつく高嶋。
状況が理解出来ないでいる。
先程よりも格段に早く鋭い拳を放つ誠也に対して、段々涌き出てくる恐怖。
それよりも――