第7章 壮絶なる争い
「アキ……。」
小さく呟く声。
彼には目の前の男が亡くなった旧友に重なって見えた。
自分が最も敵わなかった相手に。
震える手。
乱れる呼吸。
「高嶋ァ……。」
迫りくる男。
この時初めて、高嶋は恐怖を味わった。
「やめろ……来るな――。」
後ずさる足。
「殺す……。」
血だらけの魔物が迫り来る。
「来るな来るな来るな!!」
走って逃げようとするが、
バキィッ――
激しい蹴りで身体が吹き飛ぶ。
ガシャン――
自身のバイクにぶつかり倒れる身体。
「クソがァッ――!!」
正気に戻った高嶋は立ち上がり誠也に飛びかかる。