• テキストサイズ

レッテル 2

第7章 壮絶なる争い


「誠也君!!」

でも唯一、だけが誠也に近付いた。
高嶋の恐怖を乗り越えて。

「……誠也君。」

誠也の特攻服を掴みながら、ポタポタと流す熱い涙。

「誠也君!!」

彼女の声だけが静かな辺りに響く。
その姿を見て、皆自分の力の無さに悔やんだ。
ギュッと拳を握っている。

「次はお前だクソ女(あま)。」

背後から忍び寄る魔の手。
けれど、彼女は気づいていない。

「ちゃんッ!!」

バイクを飛び降りて走る藤崎。

ガシッ――

でも、間に合わなかった。
高嶋の大きな手が、再びの綺麗な髪を鷲掴んだ。

「離して!!」

歪むの顔。
ポロポロと涙が出ている。


/ 542ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp