第7章 壮絶なる争い
「クソッ―――」
一撃一撃がかなり重い。
誠也は改めて高嶋の強さを思い知った。
だけど負けたくない。
彼の中の闘志がメラメラと燃え上がっている。
――おもしれぇ…。
鼻から出る血を拭い、再び打ち込む拳。
何度も何度も続ける。
高嶋もただ受けているわけではない。
彼もまた、誠也の顔や腹に拳を打ち込んでいる。
激しい殴りあいが続く。
けれど、押されてるのは確実に誠也の方。
それは誰が見ても分かった。
ゴガッ―――
高嶋の重い一撃が頬に入った。
吹き飛ばされる誠也の身体。
ガシャンッ―――
勢いよくバイクにぶち当たる。
「だから、俺には勝てねぇつっただろうがよ。」
口から出る血を拭いながら、倒れた誠也に近付く高嶋。
一方の誠也は、髪が乱れ瞼が腫れ上がって所々出血している。
「もう…止めて。」
耳に入ってくる震える愛しい人の声。
それが彼に力を与える。