第7章 壮絶なる争い
ゴガッ―――
鈍い音が響いた。
ザワザワと声がする。
けれど、いつまでたっても痛みがこない。
恐る恐る目を開けた。
「きたねぇ手で、人の女に触ってんじゃねェッ!!」
あたしの横で誠也君が叫んだ。
そして、彼の拳が高嶋の頬にめり込んでいる。
ツーと口角から血が垂れていた。
「あ?」
力の入った目が誠也君を捉えている。
「放せ!!」
掴む高嶋の手首。
誠也君の指が、ミシミシと高嶋の手首に食い込んでいく。
「クソがぁ……。」
ゆっくりと高嶋の指が開いていく。
あたしの髪が、パラパラと手からこぼれ落ちた。
頭皮の突っ張りが無くなったため、だいぶ楽になった頭。
そこを触りながら、誠也君の方を見た。