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レッテル 2

第7章 壮絶なる争い



「また、お前か……。」

高嶋の顔が歪んだ。
上からあたしを睨んでいる。

「足を退かして。」

小さく吐き出す声。

「あ?」

更に顔が歪む。

「退かせって言ってるのッ!!」

響くあたしの声。

「姉御……俺は……大丈夫…です…だから――」

いつもとは違う嶋中さんの弱々しい声が、なお、あたしの胸を締め付ける。

「大丈夫じゃないよ!!血が――。」

ガシッ――

「ごちゃごちゃごちゃごちゃうるせぇんだよクソ女(あま)が。そんなにヤられてぇんか?あ?」

強く掴まれる髪。
近い高嶋の顔。
息が吹きかかる。
ゾッとした。
今まで以上に。

プッ――

ペチャ――

だけど屈するものか。
高嶋の頬に吹きかかる唾液。
それを拭う高嶋。

「なんなんだ……今のは――。」

そう唸った高嶋のこめかみに青筋が浮かぶ。

「見たらわかるでしょ?」

あたしは睨み付ける。

「クソ女(あま)が!!」

高嶋の手が振り上げられた。

やられたっていい。
何も出来ない方が辛いことだってある。

"あたしは頑張ったよ"

自分自身を褒めることにする。

ギュッと目を閉じた。



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