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レッテル 2

第6章 挨拶参り


「…また…来るのかな。」

小さく呟く。

「だろうな。」

いつの間にか隣に座っていた誠也君が、あたしを見ずに言った。

「でも、大丈夫だ。俺は絶対に負けねぇし守ってやっから。」

あたしの頭を優しく撫でる彼。
あたしは熱のこもった目で彼を見つめる。

「桜。」

彼もあたしを見つめた。
お互いが見つめあう瞳。
いい雰囲気とはこの事だろうか。

「別れは~辛いよ~。」

突然聞こえてくる変な歌。

「見つめあって~別れる~。」

中村が熱唱している。
震える誠也君の拳。

「せ…誠也君?」

焦るあたし。

「さようなら~。」

「うるせぇんだよ、テメェ!!なんなんだよ、その歌は!!」

振り向いて誠也君が叫んだ。

「さよなら恋人(別れの歌)だ。」

電車が小さく揺れた。

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