第6章 挨拶参り
「1つ言っていいか?」
「うん。」
「…なんで、テメェ等ついてきてんだよ!!」
駅への道。
叫びながら振り向く彼。
そこにあるのは男達のむさ苦しい集団。
極使天馬の兵隊+白麗魂の兵隊+中村=むさ苦しい
この方程式が誠也君の中で出来ているらしい。
「帰り道が一緒なんだよ。」
中村の言葉に男達が皆頷く。
「知るか!!散れ!!」
シッシッと追い払っても、一度は散るものの再び戻ってくる。
「嫌ッス、姉御と一緒に帰りたい。」
そう訴える男達。
「…あのよ、百歩譲って兵隊達は許す。だけど、なんでテメェが"姉御"って呼んでんだよ!!」
誠也君が中村を睨み付ける。
「あ?姉御っぽいからに決まってんだろ。」
中村が耳の穴を指で掻きながら言った。
「まるで天使のような姉御じゃねぇーか。」
両手を合わせ中村は瞳に星を浮かべている。
少なくともあたしにはそう見えた。
「きめぇ、帰るぞ。」
誠也君にもそう見えたらしい。
あたしの手を掴み、ズンズンと駅への道を進んでいく。
「…て、待てよ!!」
中村が走った。