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レッテル 2

第6章 挨拶参り


「ゴリラが人の女口説いてんじゃねぇッ!!」

ゴッ―――

「ぶッ―――。」

中村の後ろから足が降ってくる。
誠也君だ。
勢い良く中村の背中にめり込み、中村は思わずよろけた。

「…ゴリラさん、ごめんなさい。」

悪いとは思ったが、あたしは頭を下げて断る。

「え?ちょ……俺、ゴリラじゃねーよ。……の前にフラれたァッ!!」

中村が地面に項垂れる。

「あったりめぇだ、ゴリラが俺の女口説こうなんざ百年はえーんだ!!」

そういいながら、誠也君が中村の頭を踏んでいる。

全くもって奇妙な光景だ。
というか、この人何しに来たんだ?と、思ってしまう。

「誰がゴリラだぁ!!」

叫びながら中村が立ち上がった。

「百年早い?んなわけあるか。俺は一度フラれたぐらいじゃ諦めねぇんだよ。」

再び上から睨み付ける中村。

「あ?お前はストーカーか?ストーカーゴリラなんか?」

下から睨む誠也君。

「俺がゴリラならテメェはなんだよ?」

「生まれたてのライオンの赤ちゃんだよ。わりぃか?」

「……可愛いなチクショウ。」

小さく中村が呟く。

そういう問題!?

あたしは顔を引き攣らせた。

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