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レッテル 2

第6章 挨拶参り


「あぁ……。」

風を浴びながら、高嶋はヘラヘラと笑っていた。
バイクが人を乗り越える際に奏でた音。
それが心地よくてよかったらしい。

"情"

そんなものは彼にはない。
あるならあんなことをするものか。

ヴ―――ウゥ――――

「そこの暴走バイク止まりなさい!!」

聞こえてくるサイレン。
スピーカー音。
ますます笑いが込み上げてくる。

「ノーヘルに暴走にナンバー隠し止まらんかッ!!」

パトカーから男が叫んでいる。

「バーカ、誰が止まるかよ。」

そう呟くと上がっていくスピードメーターにタコメーター。
排気音がいっそう大きくなる。

「止まれッ!!」

警官は叫ぶも、止まらないバイク。
細道に入っていく。

「クソッ―――」

警官が悔しそうにハンドルを叩いた。

何故ならそこは車は入れない場所だったから。

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