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レッテル 2

第6章 挨拶参り


"あんたなんか大嫌い"

その言葉が高嶋の中で何度も木霊していた。
バイクを走らせながら、ギリギリと奥歯を噛む。

――なんで俺があんなクソ女(あま)にイラつかされてんだよ。

ハンドルを握る手に力が入る。

"苛立ち"

そして、

"破壊"

という名の願望。
バイクを進める度にそれは強くなる。

「オイ、ニイチャン。派手なバイクに乗って何処かの族なわけぇ?」

タイミング良くも悪くも現れる無数のバイク。
赤い特攻服を着た男達が乗ったバイクが高嶋を囲む。

「白麗魂って知ってる?結構名のしれた族なんだけど―――。」

「あ?」

男の言葉にバイクを止める高嶋。

「なんだよニイチャン、ビビって腰抜かしてるわけぇ?」

同じくバイクを止めた男達が高笑いしている。

「俺が?…んなわけねぇだろうが。」

そう言ってバイクを降りた高嶋の拳が、

バコォッ―――

「ふげぁッ―――」

男の顔面にめり込むのにさほど時間はかからなかった。

「テメェッ!!」

男達がバイクから降りてくるが、

バキィ――

ドガッ―――

ゴシャアァ―――

次々と倒されていく。
車はそこを避けた。
何故なら、高嶋が拳を血に染めて笑っていたから。
そして、高嶋はバイクに跨がる。
捨て台詞はいらない。

ヴォンヴォンヴォオン――

吹かすバイク。

グシャッゴシャアッ―――

乗り越える、男達の肉。

「ぎゃあぁぁああ!!」

男達が悲痛の叫びを上げた。

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