第6章 挨拶参り
「どうしたん、その顔!?」
昼。
教室に戻ると、麻央達があたしの顔をみて驚いていた。
原因は頬に貼られた湿布。
「ちょっと転んじゃって…。」
笑ってごまかす。
けれど、近くにいた松崎君はジッとあたしを見ていた。
そんな気がした。
ガタガタガタ―――
合わせる机。
机の上にお弁当箱を広げ、会話を交えながらする食事。
女だけど、時々でてくる下の話も、恋の話も笑って聞いて片付ける弁当箱。
化粧道具を持ってトイレへ向かい、そこでも会話を交える。
全部いつもの事。
だけど、それが幸せなんだ。
彼といるのも幸せだけど、皆といるのも幸せ。
だから崩さないで欲しい。
本当に。