第1章 絶望の宴
西條会と豪龍会の争いは花村が死んだことにより幕を引いた。
江田はレイカと花村の手により命を奪われた老人を連れ、部下と一緒に自分達のシマに帰っていった。
"悪かった。"
ただその一言を残して。
「 ッ!! ッ!!」
病院の手術室の前。
連絡を受けた の母親と弟の棗(なつめ)が、走ってこちらに向かってくる。
「……お久しぶりです、遥香(はるか)さん。」
宗次郎が立ち上がり深々と頭を下げた。
「どういう事なの!?なんで桜が撃たれなくちゃならないの!?答えて、宗次郎っ!!」
普段おっとりな性格の母"遥香" だが、それを微塵にもさせないくらいに早口でしゃべっている。
「………。」
宗次郎は口を閉じて彼女から顔を反らしている。
「……俺が悪いんです。桜は俺をかばって……。」
顔を手で覆った誠也が震える声で言った。
「……あなた、 の彼氏の――。」
「秋本さん。」
棗が横から言った。
「…どういう事?」
遥香の目が誠也に向いた。
「俺が説明します。」
黙ってたっていた白川が口を開いた。