第1章 気づいた気持ち
コンコン
「…どうぞ」
ガチャ
「し、失礼します…」
「ね、ネイロさん…?」
「は、はい…!すみません(泣)」
「なんで謝るんですか…(汗)」
「す、すみません(泣)」
「…まぁ、いいです(ニコッ どうしました?」
「え、えと…挨拶…しておこうと、思いまして…」
え?…つい先ほどすませたのに…
と、思ったけどまぁ…
「はい、よろしくおねがいしますね」
「はい…!」
その瞬間のことは今でも鮮明に覚えている…
あの、輝く花のような笑顔を…
「あ、あの…政務官…さん…?」
「!! す、すいません…!あ、ジャーファル、でいいですよ」
「い、いえ!そんな…恐れ多い…」
「…そんなことはないのですが…」
まったく、かわいいお方だ
クスッ
私は思わず笑ってしまった
「じゃ、ぁ…ジャーファル、さん、でいいですか…?」
!
嬉しかった。単純に。
名前を呼んでもらえたことが。
「はい、いいですよ(ニコッ」
「ありがとうございます…!あ、それでは今日は帰りますね…」
「はい、明日からよろしくおねがいしますね」
「はい、失礼します」
そういって
ネイロさんは
部屋から出ていった。
「はぁぁぁあ。」
私は大きくため息をついた。
「可愛い…」
だれもいない部屋で、そう呟いた。