第1章 幼馴染み。
「と、巻けたかな。」
物陰に隠れた私はほっとした。
息を整え、そっと外を覗くと…
「あ、お姉ちゃん見つけた!」
「ぎゃ!!…て、あ!!さっきの!」
さっきお母さんとはぐれた男の子だった。
「あの、この子がお世話になったみたいで。」
「あ、いいえ!そんな!
私はなにもしてないですから!」
「お姉ちゃん強いんだよ!」
頬にかすり傷がついているのをみて
私は心が締め付けられた。
「そんなことないよ。
お母さんと会えてよかったね?」
「うん!お姉ちゃん、ありがとう!」
「ほんとうに、ありがとうございます。」
深々とお辞儀をされて
困ってしまう私。
「いや、そんな、ほんと大丈夫ですよ!
ていうか、あの、海兵、いませんでした?」