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〇〇系男子

第1章 草食系男子


「綺麗だね、景色」

電車を降りて直ぐの温泉に着いた私たちは町の風景を見るなりそういった。
澄んだ空気が私の頬を掠めた。


しばらく何も話さず、彼がどこかへ行っても気にせず、ただ景色を見つめているとミナトは部屋の鍵を持っていた。
もう、荷物も預けてきたらしい。

「もう温泉でゆっくりする?散歩でもする?」
「今日は温泉に浸かりますかぁ」


今日は私の言うことを素直に聞いてくれるらしい彼は歩幅を合わせながらもぎこちなく、歩いていた。





「じゃあお風呂上がったら休憩室に集合で。」

そういった後私は女湯へ足を運ばせた。







チャプンと水音を立てながらゆっくりお湯に入ると疲れが取れたような気持ちになっていく。
効能は美容効果などに良いらしくぬるっとしていた。
私の為っていうか、彼の為。にいつしか変わって気にし始めた美容に対する意識。




一人で露天風呂やら楽しんだ私は風呂から上がると用意してもらった浴衣を着た。

休憩室に行く前に化粧はするべきなのかと思ったけど、せっかく風呂に入ったのになんでしなきゃいけないんだ、なんて思って化粧はしなかった。


休憩室に行くとミナトは不機嫌そうにソファに座っていた。

そっか、男の人は早いんだ。それで不機嫌なんだ。

「ごめんね、ゆっくりはいっちゃって。」





「別にいいけど。あんまり遅いと心配するんじゃないの、男なら。」




不機嫌の理由は待たせたせいじゃないみたい。

そしてちょっと嫉妬深かったり。
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