第2章 肉食系男子
「千尋!じゃあ明日ピクニック行こう!」
いきなりのお誘い。
そんな急に誘われたのは初めてで戸惑う。
日本人は基本そんなガツガツするような人種ではないと思っていたのだけど、この人は違うようだ。
行き過ぎれば鬱陶しいけどここまでは世間一般好かれるらしい。
「明日ね」
そう言ってスケジュールを確認し、空白だった明日の所に「ピクニック」と記入した。
「おべんと、よろしくね
んじゃ。」
言うだけ言って立ち去る彼。
忙しいのか小走りで。
今までの付き合ってきた女性たちは彼のどこが良かったのだろうか。
ああ、顔か。
目鼻立ちはまぁしっかりしているし、モテる顔ではあるのだろう、か。
昔から見ているものからすれば、そう感じられない。
マコトは何を考えているのかさっぱりわからない。
デスクに座り、考える。
うーん、と首を捻らせながらパソコンに打ち込んでいると、間違えるは上司に怒られるは大変な一日になった。
ちょっと集中できなくなる、彼のことを考えていると。
優しさも兼ね備えているけれど、それよりか熱血さが強くて私には合わなさそう。
というか、弁当!!
私、料理得意じゃないし。
彼は女性は皆料理ができると思ってはいないだろうか?
食材買いに行かなきゃ、ウチ、いつも料理なんてしないからなにも入ってないし。
はぁあぁ......
深い溜息をついたあと、改めて集中して仕事を始めた千尋であった。