第7章 これが恋。[ドルイット]
「怖がらないのかい??」
少し焦っている様子の彼に
『えぇ、
ここまで、
連れ出してくれたこと…
感謝したいくらいです。』
とお礼を言った。
すると、彼は仮面を剥いで
鳥籠に座り込む私と
同じ目線になって
何があったのかと聞いてきた。
私は
『何にもないんです。
私…。
人形みたいに扱われて。
リアンの部屋にある椅子に
一日中座らされているんです。
彼がいないときでも
動いたらバレちゃうから。』
と、言った。
彼はごくりと唾を飲んで、
「そんなの、
無視すれば…」
と、言った。
『できないんです。
彼は私の実家の経営を
支えてくれている。
だから、
父と母を悲しませないためにも。
それに…』
私は後ろで縛られた手を
何とか動かして
太ももの辺りまでドレスをまくりあげ
「なっなにを…////
ッ!?…そ、それはっ!?!?」
赤くなったあと
青ざめるドルイット子爵に
大きく腫れ上がった
脚を見せた。
『動けないようにと
ドレスの中…とくに脚を
痛め付けられるんです。
だから、誰かに支えてもらわないと
歩けないんです。』
そう言った。
「っ………!!!//
おぉ、なんと、可哀想に…
今、その腕を自由にしてあげるからね。」
この手の話に弱いのか
すぐに涙を流して
腕を縛る縄をほどいてくれた
鳥籠の中で見つめ合う
男女。
子爵は
私の髪をさらさらと
とかしながら
私の頬に触れると
綺麗な顔を近づけてくる。
私も瞳を閉じる。
ちゅ…
それは甘くて優しいくちづけだった。