第6章 軽男の本音 [ロナルド]
そんなことがあったから、
余計言えなかった。
多分言ったら
すごく心配される。
けど、
私のことなら何でもお見通しの
ウィリアムくんは、
ギュッと私を抱きしめ
「私なら…
貴女を泣かせたりしません…!!」
と言ってくれた。
『ウ、ウィリアムくん!?!?///
離し…っ///』
押し退けようとするが、
彼の力には敵わず
彼の腕の中に
スッポリと入ってしまっていた。
「私じゃダメですか?//」
やっと離してくれたかと思うと、
私の目をじっと見つめる
ウィリアムくん。
それでも
私は…こんなに大切に思ってくれる
ウィリアムくんより、
どれだけ
ひどい扱いをうけようと
ロナルドさんの方が好きだった。
また、辛い思いをするかもしれない。
それでもやっぱり、
ロナルドさんのことが
忘れられなかった。
『ありがと…
でも、
ごめんなさい』
**
帰り道。
送ると言ってくれた
ウィリアムくんに
1人になりたいからと
言って、
彼の善意を断った。
少し心細くなりながら
てさげのバッグを握りしめて
早足で帰っていると
男女の声がうっすらと
聞こえてきた。
声がする方を
チラッと見ると
電柱の辺りでイチャつく
カップルが見えた。
その男が
『っ…!!』
ロナルドさんだった。
私はいったん通りすぎて
二人の様子をうかがった。
「なぁ、パト~
ここで、イイだろ?」
パト?
て、ことは
いつもあってるあの人…
「だぁめ!!
人に見られるじゃん
それに、パトじゃなくて…」
「ごめんごめん、
パトリシア…??」