第6章 軽男の本音 [ロナルド]
私から
おわらせたいなんて言って
生意気だと思われるかもしれないし
嫌われちゃうかもしれない
私は好かれたい気持ちより
嫌われたくない気持ちの方が
大きかった。
だから、何も言い出せないまま
ずっと同じように接している。
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ある日、
ロナルドさんにデートと称して
街に連れ出されていた。
隣で歩くロナルドさんが恥をかかないように
めいっぱいオシャレをした。
「ちゃん!!
あそこのケーキ、
美味しいんだよ?
食べに行こう?」
『は、はいっ…!!!///』
私の手を引っ張って
ズンズン歩くロナルドさん。
手を握られると
あの資料室のことを
思い出す。
好きになってもらわなくていい。
ただ、
この人の側にいたい…
もう少しでケーキ屋に着くところで、
強面の背の高い男の人に
話しかけられる。
「あれ?ロナルドじゃん!!」
「お、よう!」
さっきまで
握っていた手をパッと離し
後ろに隠すロナルドさん。
『…』
友達に知られたら
まずいのかな…
自分を納得させようとするけど、
少し傷ついてしまった。
はぁ、
情けない…
「え、っと、
もしかして、
彼女…例の?」
私のことを指差して
何かを聞こうとする
その人の言葉を遮って
「ちっ、違っ!!!//
この子は俺の可愛い後輩チャンだから!! 」
『…』
…後輩…ですか…
「え?そうなの?
ねぇちゃん、この男には気を付けなよ?」
「うるせ!」
じゃれあっている二人に
私は、笑顔を向けた。
『はい…♪
あ、先輩、ごめんなさい
私、用事があるのを思い出して…
ケーキはまた今度お願いしますね。』