第5章 変貌 [劉]
『私、もうすぐ、
結婚するんです!!//』
盛大にのろける私。
「へぇ~
それはそれは
おめでたいねぇ。
結婚式には
私も出席するとしよう。」
『えへへ、
ありがとうございます//』
**
『ふぅ、
今日も無事
終わった…!!』
花の入ったバケツを
部屋の中に入れて
一休みしていると
いつかの
アジア系のお客様がいらした。
「やぁ~
まだやってる?」
『あ、はい、
大丈夫ですよ?』
そして、また
花束を頼まれた。
「そういえば、結婚、
するんだってね。
風の噂で聞いたよ。」
『へへっ、
ありがとうございます。//』
花束を作りながら
色々な話をした。
彼との馴れ初め
昔のこと
たくさん話をした。
彼は自分のことは
あまり話そうとしなかった。
だから、私は
自分の話ばかりしていた。
花束のリボンを
パチンと切って
はい
と渡すと、
また、
「君に渡すために来たんだ」
と言われて
渡されてしまった。
それから、
帰る背中に向かって
『ありがとうございました!!!!』
とお礼を言った。
彼は
手をヒラヒラと振って
「彼氏、気をつけなよ。」
とだけ言って
帰っていった。
『…??』
なんだったんだろう。
私は再び閉店の
準備を始めた。