第4章 飼い主[ウィリアム]
男たちが攻撃しようとする。
明らかにへなちょこなウィルに
助けてなんて言えなかった。
ウィルが傷つくところなんて
見たくないのに、
ウィルに殴りかかる
3人組を見て
私は目を閉じた。
数分後
公園が静かになって
雨の音だけが
響きわたる。
恐る恐る目を開けると、
「目閉じているなんて
酷いですね。
私を信用していなかったのですね。
私は死神だと言っているでは
ありませんか。」
と言ってしゃがみこむ
私に手をさしのべてくれる
ウィルがいた。
『っ……だって、
誰が信じるのよ、そんな話…』
泣きながら手をとる私。
「すいません。
遅くなって…。」
ギュウと抱き締めるウィル。
『もう、なんなのよ。
拾ったり
追い出したり
探しに来たり。』
「すいません。
私には飼い主としての
スキルがまだまだ
備わっていないようです。
また、家に来てくれますか?」
『…うぅ…
今度は捨てない?』
また涙があふれでる私。
「はい。
絶対に。」
『本当に?』
「本当です。」
『絶対?』
「はい。」
抱き締める手に
力がこもるのを感じる
だから、私も
『…………うん…』
と、抱き締め返した。