第4章 飼い主[ウィリアム]
こんなことになるなら、
正直に全部話しておけば
よかったな…
元カレなんかより
ずっと幸せだった
この人と一生いたいと思った。
なのに。
泣きながら
ブランコを
揺らしていると
3人組の若い男が
現れた。
「おねぇさーん、
どうしたの?」
「おい、すげー
俺好みなんだけど」
『失恋して泣いてんの!!!!』
「マジ!?
俺んち来いよ!!!!」
『えっ!?
ほんと!?』
「おう!
俺らと楽しいことして
忘れようぜ!!!!」
そう。
こうやって
バカな尻軽女やってる方が
よっぽど楽だ。
逃げよう、幸せな世界から。
私には楽で最低な世界の方が
お似合いだ。
男たちに、
肩を支えられてふらふらと
歩く。
半年前を思い出すけど
ここにあるのは
あのウィルの匂いじゃない。
タバコと香水の混じった臭い。
『…やっぱ、いいや、』
するりと、
肩を抜けると
男たちが振り向く。
「まぁまぁ、そう言わずにね?」
『いいってば。』
「この女ァ
調子のりやがって!!!」
拳があげられ
殴られそうになったとき、
「彼女を離して頂けますか?」
聞き覚えのある声がした。
『!!!?』
「あァ?
オッサン誰だ??」
「あなた方に名乗る名など、
ありません。」
ウィルだった。
「いちいちムカつくなァ。」