第4章 飼い主[ウィリアム]
明らかに隠し事をしている彼女を
問い詰める。
『っ………!!
い、言えない。』
「はい?
それでは、
貴女とあの男性が
他人には言えない仲だと
いうことで
よろしいですか?」
この状況でも隠し通そうとする
に腹を立てる私。
『ち、ちがっ、
そんなんじゃなくて、…
彼とは何でもないの。
ただの知り合い。』
「どうやって、知り合ったのですか?」
『それは…言えない。』
「…私はあなたを信用できない。
彼との関係が明白でない以上、
貴女とは一緒に
居られません。
出ていってください。」
『え………??
ちょっと、待って、
何でそう……』
「早く出ていきなさい。」
『待って、話を……』
「もう十分です。
その男の家にでも
転がり込めばいいでしょう。」
『っ………
なにそれ、
ウィルはそんなに、
他の人と私をくっつけて楽しい?
分かったよ!!!
こんなとこ出てくよ!!!!
そうだよね、
ウィルは私とヤったことの
責任取るために
付き合ってたんだもんね。
でも、ごめんだけど
今更だけど
私たち、何もシてないから。
じゃ、さよなら。』
彼女は、叫ぶだけ叫んで
信じられない発言をして
家を飛び出していった。
外は出会ったときのような
どしゃ降り雨だった。
**
"シてないから"
数時間たっても
消えないこの言葉。
今まで一緒にいた時間すら
偽りだったかのようで、
ショックだった。
ピーンポーン