• テキストサイズ

[R18] 黒執事 (裏短編)

第4章 飼い主[ウィリアム]




このときから
私の頭には
嫌な考えが浮かんでいた。









彼女は私のことを
恋人ではなく、








便利な道具としか
思っていないのではないかと。








暖かい寝床や
おいしいごはんにありつける場所だと。








シたいときは
相手してくれる。








生活には困らない。









家に帰ってこないのも
他の男と遊んでいるからかも…








いや、
憶測で物を考えるなんて
私としたことが。








変なことを考えるのは
やめよう。








テレビを見ながら
ゲラゲラ笑う彼女を見ながら







一人悶々とする私だった。









**









共同生活が始まって
3ヶ月が過ぎた。








彼女は相変わらず
であったが、









それなりに
楽しく過ごしていた。









そんなある日。









私が職務を終え
帰っていると、









の声が聞こえた。









『ありがとー!!!









また今度埋め合わせするから!!!









また明日ね~♪』









段々声が近くなって
家の前の曲がり角に
差し掛かったとき、








赤い車の運転席に座る男と
楽しそうに話す
が見えた。








とっさに
隠れる私。








なんで私が
隠れなければならないのでしょうか。









……というか、









今のって…









**









ガチャ









家に帰ってみると、









『あ、お帰り~♪』









いつものように
笑う。








いつものこの笑顔も
他の男と会った後のもの
だと思うと虫酸が走る。








「えぇ…。」









『どうしたの?









具合、悪い?』









私の気など知りもせずに
心配そうに顔を覗き込む彼女の顔を









見る気になれなかった。









「なんでもありません。」








私はふいっと
顔をそらし








自室へ逃げ込んだ。






/ 154ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp