第2章 王子サマ[ソーマ]
カリー対決直前
アグニに会うのも
に会うのも怖かった。
二人とも自分を
置いていってしまうのではないかと
思っているからだ。
フラフラと近くのベンチに座ろうとすると
ドンッと
誰かにぶつかった。
「あ、ごめんなさ……
ミーナ!?!?!?!?」
ぶつかった女性は
なんとミーナだった。
ミーナは旦那が優勝して
更に裕福になるところを
みにきたのだ。
「ソーマ様……」
いつもの癖で
ソーマの前ではいい女を演じる
「ミーナ、帰ってこい。
誰も責めやしない。」
この期に及んで
まだこんなことを
言うソーマに
あきれて化けの皮が剥がれた。
「はぁ?
帰るわけないでしょ、あんなとこ。
カーストのせいで
いつまでたっても
どれだけ頑張っても
私たちの身分は変わらない。
あんな下の下の生活するより、
貴族の妻やってるほうが
いいに決まってるじゃない。
それに、
あんたの我が儘にも
付き合いきれないのよ。」
といいはなった。
「…そんな……」
結局、騙されていたのだ。
「アグニのことがあったから
言うつもりはなかったんだけどね
あと、もうちに来たわ。
今ごろ家で大変なことに
なってるかも…」
ミーナはクスッと笑い
人混みに消えていった。
…
!?!?
はここに
来ているんじゃないのか!?
俺はとっさに
ウエストの屋敷に向かって走っていた。
…ごめん。
お前が一番俺のとなりで笑ってくれてたのに
お前が一番
俺のそばに寄り添っていたのに
お前が一番
俺のことを理解していたのに。