第2章 王子サマ[ソーマ]
「いらない!!!
ほっといてくれ!」
そう言って
持参したティーセットごと
私を吹き飛ばした。
『きゃっ…!!!』
パリン
尻餅をつく私に
少し困った表情をしたけど、
そのまま
再び布団にくるまってしまった。
『……』
もう、心折れそう。
『イタタ……』
私はティーセットの残骸を
捨てに
外へ出て…
いまだに痛む
頬をさすって
涙を流した。
「さん……」
後ろからセバスチャン様の
声がしてとっさに涙を拭いて
笑顔をつくる。
『はい?
どうかされましたか?』
「……
無理に笑わなくて結構です。
お疲れのようですし、
一週間アグニさんも
帰ってきません。
たまにはゆっくりしては
いかがです?
ソーマ様のお世話は
私がいたしますので。」
セバスチャン様が
そう言って下さったので
甘えてみることにした。
**
ソーマ様にも会いづらく、
アグニ様も帰ってこないため、
少し休暇を
もらうことにした。
私は、ミーナを探しに
再びあの家へ行っていた。
それにしても
大きな家。
堂々と家に乗り込もうとすると
「あれ?
??」
と、言う声が聞こえた。
バッと振り替えると
『ミ、ミーナ様……』
そこには
若い男をはべらした
ミーナがいた。
「久しぶりねぇ…
お母様お元気?」
母を過労で死ぬ直前まで
追い込んでおいて
よく言う。
『えぇ、まぁ。』