第11章 戦場 [バルド]
砂埃が舞う倉庫の中に
一歩一歩近づいてくる彼は
完全にブチ切れていた。
「…」
コツ…コツ…
と歩いてくる。
その不気味さに
男たちの腰は退けている
「こ、こっちにくるなぁ!!!」
バンバンバンバン
4発の銃声が
鳴ったと思ったら、
2人の男が
頭から血を流して
倒れた。
最後に残るは
この男。
**
バルドside
。すまねぇ。
俺が不甲斐ねぇばっかりに。
辛い思いさせたなぁ。
今、殺してやるからな……
あと一人か。
裸にされて目に涙を浮かべる
俺の妻にナイフを突き立てる男。
この一瞬でが何をされそうに
なっていたのかが分かった。
「ちっ、近寄るなッ…!!!!
この女がどうなってもいいのか!?!?」
なんていってるこいつ…
よく見りゃ、昨日見逃しちまったやつじゃねぇか。
今度こそ、逃がさねぇ。
慎重にやつの頭に
照準を合わせて
いつ、を傷つけるか分からねぇ
奴を始末しようとする。
大丈夫。
殺れる。
パァン
「ぅがぁっ…」
カランカラン
男のうめき声と同時にの、足元に
ナイフが落ちる。
『っ……』
「っ!!」
俺はすぐさま彼女に駆け寄る。
は
『バルドぉ…ッ…//
ごめんなさ…っ!!//』
と、言った。
鎖を外す間、ずっと謝りながら泣くこいつが
いとおしくてたまらなかった。