第11章 戦場 [バルド]
「ただい…っ!!!!!!??」
途中で放置された
洗濯物が目に入る。
鍵が開けっ放しになった家に入る。
人の気配がない。
おかしく思って
台所に行くと
血のようなもので
"□□倉庫にて待つ"
とまな板に書かれていた。
俺は
ベッドの下に忍ばせておいた
拳銃をポケットに入れて
全力で走った。
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side
「これがあのバルドの嫁かぁ…」
この人たち何なの?
バルドの敵?
バルド…っ、
頬を掴まれて
顔を上に上げられ
値踏みされる。
腕は鎖で繋がれ
十字架にかけられているようになっていて
身動きが取れない。
膝は石造りの床のせいか
ジンジンと痛む。
どこかの倉庫のようだ。
その男の後ろにも
数人の男達がニタニタと笑いながら
私を見ている。
私は頬につたう汗を感じながら
自分に落ち着けと言い聞かす。
大丈夫。バルドが助けてくれる。
私は自分の体のことを大事にしなきゃ。
大丈夫。
落ち着きなさい。
わたし。
ベタベタと私の体を触る
男に抵抗したい気持ちを我慢しながら
息を殺して耐え続ける。
目をぎゅっと閉じて
拳を強く握って
唇を噛み締める。
「ははっ…
抵抗しないなんて、
やらしいなぁ…」
そんなことを言われても
ぐっと耐える。
男の指が
頬を伝い、首筋を撫で…鎖骨でとまる。
気持ち悪いけど、ダメだ。
我慢するの。
バルド、はやく…っ
鎖骨でとまった手が
服のなかにはいってきて
私の胸を荒々しく揉む。
「へへっ、
あいつが来るまでに
たのしんでおかねぇーとなぁ?」