第2章 王子サマ[ソーマ]
あたふたする
私とはうって変わって
ソーマ様をお守りする態勢に
入られるアグニ様。
それから
ゆっくりと
声のする方へ行くと、
インド人と英国人貴族が
争っているようだった。
**
数時間後
コンコン…
私達は
行く宛も無かったため
先程、ソーマ様が
友人になられた
シエル様のお宅を訪問した。
「はい…どちらさ…」
『あの、
すいません、
今日、泊めていただけませんか?』
私は王子が失礼なことをして
相手方を怒らせてしまう前に
そっとシエル様のカーンサマーにお願いをした。
けれど…
「おーい!
シエルー!
シエルはいるかー?」
と、ソーマ様がノックもせずに
ズカズカと入っていってしまった。
『ソ、ソーマ様っ!?!?
す、すいません!
本当に申し訳ございません!!』
シエル様のカーンサマーが
キッと睨みをきかせたような
気がして猛烈に謝る。
「大丈夫ですよ…。
どうぞお上がりください。」
と、先程の顔が
嘘のような笑顔になった。
だ、大丈夫なのかしら…
少し心配であったが、
笑顔でさっさと入れ
といわれているような気がしたので
アグニ様の後ろをそっとついていった。
**
歩き回って疲れたのか
ご友人と遊ばれて疲れたのか
ソーマ様はいつもより
早く眠りにつかれた。
ガチャ…
ソーマ様の寝床を再び
片していると
ドアがあいた。
『アグニ様…??』
「…ソーマ様は寝られましたか…?」
『は、はい。
どこかへ
お出かけですか?』
普段よりきちんと
服を着られていたアグニ様に
尋ねる。
アグニ様は一週間前から
おそらく夜出掛けている。