第2章 王子サマ[ソーマ]
「一週間か…
見つかるかな…」
『えぇ、きっと。』
まるで
小さい頃のように
見つめあって笑いあう。
そんな私たちを見て
アグニ様が
唇を噛み締めたことを
私は知るよしもなかった。
「…」
『そういえば、アグニ様。
先に偵察に来ていただいたと
思うのですが、
英国の地図、
手にいれましたか?』
そう、アグニ様には
英国の状況把握のため
先日この国の偵察(ホテルの予約、地図入手、危ない場所の確認、流行り病がないか等)に来ていただいたのです。
私が行くと言ったのですが、
ソーマ様が許してくれませんでした。
「えぇ、
英国貴族が集まる
ロンドンを
探せばよいのではないかと
思いまして、
ロンドンの地図を…。」
うちポケット?から
地図を取りだし、私にくださる
アグニ様。
ソーマ様もこちらへ
いらっしゃって、
3人で明日の予定を決めることにした。
**
一週間後
『見つかりませんでしたね…』
「あぁ……
もうこの国には
いないのか……??」
寂しげな声を出す
ソーマ様。
私は元気になってほしくて、
『い、一週間くらいじゃ、
英国は見きれませんから!
見つけるまで、
諦めずに頑張りましょ??』
と、励ました。
すると、
「そうだな!!」
と、いつもの
自信満々の笑顔に戻った。
本当に
幼い頃から
お変わりないなぁ…。
しみじみと
感じていると
なんだか、路地裏で
大きな声で騒いでいる
人達がいる。
『……?なんでしょうか…』
「ソーマ様…!!
下がっていてください!!」