第2章 王子サマ[ソーマ]
「っ……!!!
俺はちょっとやそっとで
死にはしない
それに、アグニもついてる。
お前が心配するようなことなんて
何もないんだぞ…?」
私が闇雲に反対している訳ではない
ことがわかったのか
少しトーンを落として
近づいてくるソーマ様。
『そんなに、行きたいのですか?』
流されてはいけないのに
あまりにも真剣に
説得されるので、
許してしまいそうになる。
「あぁ。
お前に止められても
俺は行く。」
そうキッパリおっしゃる
ソーマ様に
何も言い返す言葉が見つからなかった。
『はぁ…
分かりました。
けど、ひとつ条件があります!!』
私はソーマ様に
人差し指を立ててから
一つ約束をした。
**
「おぉー、
これが英国!!」
馬車を降りて
英国では見かけない
珍しい衣装を着て
キョロキョロと周りを
見渡すソーマ様。
「ソーマ様!!
あまり、私から離れられては
困ります!」
アグニ様がすぐに
ソーマ様のもとへ
駆け寄る。
『ふぅ、無事着きましたね。』
私も馬車から降りて
辺りを見回す。
デカイ。
先々行くソーマ様達の
荷物を持って
二人を追いかける。
『お二人とも!
お待ちください~!!』
**
「おぉー、
広いな!!
やはり、英国のベッドは
質が良くて気持ちがいい。」
予約していた宿泊施設に
ご満悦なソーマ様は
ベッドに寝転んでいる。
私とアグニ様は
せっせと
支度をして
ソーマ様が居心地のよいようにする。
『ソーマ様、気に入って頂けて
何よりです。
ここには
一週間滞在することができます。
しかし、それ以降は
帰るか他の宿泊場所を
探す必要があります。』