第9章 死神より死神[葬儀屋]
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スヤスヤと眠る彼女の寝顔を
じーっと見つめる。
絶対、死んだら
小生が最後を飾ってあげるんだ。
こんな美しい顔……
誰かが汚く飾り付けるなんて
小生は許さないよォ…
の体は小生のもの…
だからねェ
そんなことを考えていると
『ん…??』
ようやく、が目をさました。
彼女は小生を見て驚いていた。
『げっ…
私、死んだ?』
だって。
「…
小生は死神なんだ。
君の死を聞き付けて、
お迎えにきたんだよォ…」
『マジか…
私…お前に伝えなきゃならないこと、
沢山あったんだがな…』
小生は普通に告白だと思って
「え?なんだい?
聞きたいなァ…」
と、身を乗り出して
聞いた。
は少し考えてから
『えーと……
店のことよろしく頼む。
掃除は周一でやれよ?
あと、死体と会話する時に、
傷つけないよう
最善の努力をしろよ?
お前、馬鹿力なんだからよ。』
と、答えた。
「はい……??」
告白じゃ…ないのね…
『なんだ、その顔は』
「嘘だよ。
君は死んでいない。」
『はぁ??
なんだよ、
なんのための嘘だよ』
少しキレ気味の彼女だったが、
小生はそれより、
ショックが大きかったから
ヤケクソになって、
「小生はもうここへは来ない。
のこと、
小生だけが思ってるなんて、
辛いからねェ…。」
と言ってそのまま
店を飛び出し、
戻ることはなかった。