第9章 死神より死神[葬儀屋]
『それじゃ、行くぞ。』
「はい…??」
『お前も行くんだよ。
あいつに紹介しなきゃな。』
彼女はグイグイと小生を引っ張って
待っていた馬車に乗り込んだ、
**
キラキラと輝くシャンデリア。
おいしそうに並ぶ料理たち。
たくさんの人。
完全に小生とは浮いていた。
浮いているからか、
彼女に視線が集中する。
そんな小生たちのもとへ
一人の男が歩いてきた。
「やぁ…
君は…かい?」
ニコニコと笑いながらに
話しかける男。
『あぁ…。
まったく、嫌味たらしいやつだ。
私以外に誰がいる。』
「いやいや、
別人だよ。
前から言っているだろ?
前髪をあげた方が
絶対いいって。」
『うるさい。殺すぞ。』
「ハッハッハ…
それで、こちらは?」
『…あぁ、
私の助手、アンダーテイカーだ。
こいつは
ヴィンセント・ファントムハイヴ。
厄介な情報を収集したがる
変わり者だ。』
二人の間でされる会話は
小生には分からなかったが
二人が信頼関係にあることだけは
伝わった。
『そういえば、
お前、子供はどうした?』
そんな話をしていると
ひょっこり、
ヴィンセントの足元から
顔を出す子供がいた。
「シエル…ご挨拶は?」
「こ、こんにちは…っ、//」
『おっ、可愛いじゃないか。
大人になったら、
こんな嫌味たらしい顔にはなるなよ?』
「??」
失礼だなー、なんて
二人でまた盛り上がっていると、
子供は小生に興味をもった
らしくてねェ。
グイグイと袖を引っ張って
部屋に連れていかれてねェ…
時間になるまで
沢山遊んでいた。