第9章 死神より死神[葬儀屋]
『むっ、何をするっ!!!』
グイグイと引っ張り、
ドレッサーの前へ座らせる。
彼女の格好は
化粧は必要以上に濃くて
口紅は真っ赤。目元は髪の毛で見えないし
白粉は塗りすぎだし、
チークなんて、病気そのもの。
ドレスなんて、
頑張っちゃって、
ピンクのフリフリのドレス。
まるで女装。
君には似合わないよ。
そんなの。
あれだけ、
他人の化粧は綺麗にするクセに、
自分を綺麗に見せる化粧は
からきしなんて。
ヒッヒッヒ…
小生は
彼女の化粧を全て落とし
ドレスは
いつも着ている
黒っぽいものを
少しアレンジさせた。
小生とちょっとお揃いだよ?
『なんか…黒い…』
いつもよりマシでしょ。
「これくらいが似合ってるよ~」
『そ、そうか?
うむ。
ならば良い。』
「化粧しますねェ…
…!!!!!!!!!!!!」
『ん…』と目を閉じる彼女の
前髪を上げたとき、
小生は
心臓が飛び出た。
美…美人だと!?!?/////
『あ?
まだか?』
目を開けた彼女は
可愛いなんてものじゃなかった。
美しい…
『おい!
お前、ヨダレでてんぞ!!!??』
目の前でギャーギャーうるさい
口とは違い
顔立ちが妙に整い過ぎていて
違和感しか感じない。
小生は、黙って
彼女にメイクをし続けた。
この店からほとんど出ないためか
真っ白な肌。
目はアジア系に多いブラウン。
鼻はすっと伸びていて
唇は薄く、モチモチ。
髪型も
前髪を少しピンで止めて
顔に似合う上品な
髪型にした。
『うぉぉぉ!!!!
やるじゃんか。』
別人みたいだと、
鏡を見ながら
驚く彼女が、何だかいとおしかった、