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【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜

第4章 For the First Time







*§*―――*§*―――*§*―――*§*






レオノアに友達を作らせてやりたい。

そう願ったのは自分だ。


ジャンは友達として申し分ない。

そう認めたのも自分だ。


それなのに、なぜだろう。



レオノアがジャンに笑顔を見せるたび。
レオノアがジャンと顔を近づけ合うたび。

強く握った拳の中に、棘だらけの氷ができる。

そんな時は慌てて、父王からもらった手袋をはめた。



「レオノア・・・」



これまでずっと、あの子の心には自分がいた。
だが、これからはジャンやその他の人間が巣食うことになるのか。





トントトトントン





毎日、聞こえるノックの音。




「今日は、ジャンに学校の友達のことを教えてもらったよ」





トントトトントン




「ジャンが言っていたんだけど、キルシュタイン夫人の作るオムオムはすごく美味しいんだって。オムオムってなんだろうね?」





トントトトントン





ジャンがね、・・・

ジャンってね、・・・

ジャンはね、・・・



レオノアの口から出るのは、その名前ばかり。
最近は「リヴァイ」よりも多く聞く。



いつか、レオノアの心から、自分の存在が消えてしまうのではないか。

そのうちに、ドアをノックする音も聞こえなくなるのではないか。


暗く、孤独な部屋で一人、膨大な時間を過ごす。

そんな日々に耐えるリヴァイの胸にいつしか、不安が生まれるようになっていた。






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