【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜
第1章 Vuelie 〜語り継がれる愛〜
8歳になるリヴァイには、友達がいない。
王子であるが故なのだろう。
街に出ることがほとんどなかったし、城には同年代の子供もいない。
何より、両親が意図的に友達を作らせないようにしているようだった。
それでも、寂しいと思ったことはない。
「リヴァイ! あたしが跳ぶから、その先に雪のお山を作って!」
自分には、妹がいる。
レオノアの笑顔さえあれば良い。
レオノアが自分を見ていてくれれば、寂しいとは思わない。
「もっと高く!」
柔らかい雪をジャンプ台代わりにして、新たにリヴァイが出す山へとピョンピョン跳んでいく。
最初は数十センチの高さだった雪山がだんだんと高くなり、ついに2メートルを超していた。
しかし、レオノアはそのことに気がついていないのか、リヴァイを信用しているのか、足場が出来ると疑わずに飛び降りる。
「レオノア! 危ないぞ!」
「もっと、もっと!」
リヴァイはもうやめようと制止したが、レオノアはそれに気がつかない。
3メートルほどの高さから飛び出した時だった。
「・・・!」
慌てたリヴァイが、氷に足を滑らせてしまう。
尻もちをついた時には、レオノアの体が宙に舞っていた。