• テキストサイズ

【リヴァイ】 Frozen 〜 Let It Go 〜

第4章 For the First Time



「あれが兄貴の部屋?」
「そう。前はとても仲が良かったんだけど、今はほとんど会うこともないんだ」
「病気なのか?」
「違うけど、お部屋の外に出ちゃいけないんだって」

その言葉に、ジャンは首をひねった。
悪さをした時などよく、“部屋で反省してなさい”と母親に叱られることがあるが、それと同じなのだろうか。

王子なのに?

「しかし、アレンデールに王子がいたとはなー。サシャたちが聞いたら、びっくりするだろうな」

なんで母親はそのことを内緒にしていたんだろう。

「リヴァイはね、いつもあそこの窓から、私達を見ているの」
「見てる?」
「うん。窓は閉まっているけれど、椅子に座って私達を見てる」
「マジかよ!?」

ジャンは恐る恐る窓を見上げた。
当然、ここからは部屋の中の様子なんて分かりもしない。
でも、確かに人影があるような、ないような・・・

「・・・俺には何も見えないけど」
「でも、確かにリヴァイはいる。分かるんだ」

レオノアは頬を赤く染めて、嬉しそうだ。
しかし、ジャンは“見えない所から見られている”と思うと、なんだか居心地が悪かった。

「なんか気持ち悪いな」
「え、どうして?」
「だって、見られてるんだろ? なんかイヤだ」
「・・・・・・・・・・・・」

一緒に遊ぶならまだしも、ただじっと見られているのは落ち着かない。
すると、レオノアは急にベンチから立ち上がった。


「じゃあ、どこか見えない場所に行く?」


そう言って、ジャンの手を取る。


「リヴァイから隠れちゃおう」


大人には内緒のイタズラを思いついたような、無邪気な笑顔を見せるレオノア。

“隠れて何をする”というところまでは考えていないが、ただリヴァイの目の届かない所へ行く、それが大冒険のように思えた。



/ 92ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp